原料辞典
技術者限定情報ウーロン茶
茶の木
茶の花
ウーロン茶はツバキ科ツバキ属に属する常緑樹、茶の葉からつくられる半発酵茶で、古来より飲料として愛飲されています。茶にはビタミンC、カフェイン、各種アミノ酸、タンニンあるいはカテキン類、テアニン類等、数多くの化学成分が含まれ、それらが独特の風味を与えているのと同時に、様々な生理活性や作用を担っています。
ウーロン茶には肥満防止効果、消臭効果、酸化防止効果などの効能がありますが、ウーロン茶特有のポリフェノールに非常に強力な虫歯抑制効果がある事が明らかとなっています。
虫歯発生で重要な働きを果たす酵素(GTase )を阻害するばかりではなく、菌体の初期付着、不溶性多糖類を介した菌体の更なる付着といった複数ポイントを阻害することから虫歯の発生を防ぎ、口の中の健康を守ります。
成分としては、カテキンなどを含んでいます。
虫歯発生メカニズムとウーロン茶抽出物の作用点
虫歯は次のようなメカニズムを経て発生することが知られています。
・歯の表層(ぺクリル層)への虫歯菌(ミュータンス菌)の初期付着
・虫歯菌の産生する酵素(GTase)による不溶性多糖(グルカン)の生成
・生成した不溶性グルカンに巻き込まれて口腔内細菌のさらなる付着(歯垢形成)
・歯垢内部での醗酵→酸産生→歯の表面のpHが低下→脱灰
ウーロン茶抽出物は虫歯発生に重要な働きを果たすGTase(グルコシルトランスフェラーゼ:不溶性多糖類合成酵素)を強力に阻害し、またその他のステップも強く抑制することにより虫歯のリスクを著しく軽減します。
菌体初期付着抑制
ヒトに感染する虫歯菌(S.mutans,S.sobrinus)は歯の表面へ付着する特徴があります。ウーロン茶抽出物を共存させると、虫歯菌の付着を抑制します。
GTase活性抑制
ヒトに感染する虫歯菌(S.sobrinus)から抽出したGTaseと砂糖を共存させると、試験管内で不溶性グルカンが生成します。ウーロン茶抽出物はGTaseの働きを強く阻害し、グルカンの生成を抑制します。
この原料を使用した製品
化粧品・医薬部外品原料:ウーロン茶エキス
食品・食品添加物用原料(機能性食品素材):ウーロン茶エキス